明けていました。おめでとうございます。
2011年になって早半月経ちましたが、色々なことがありました。
地元で行なわれた小惑星探査機「はやぶさ」の展示会に行って感動し、
その翌日にジミーサムPのstardusterを聞いて号泣したり。(無機物繋がりでアンドロ愛が高まりました)
何を思ったかトモコレを起動し当家の連中を登録して、
赤ヲリとシノ姐が恋人になったり眼鏡バリと若パイが親友になったり、
やたらモテる眼鏡ドロちゃんに男を作らせないよう日々努力したり。(Mii仕様でも、アンドロは可愛いです)
禍神に負けたり禍神に負けたり禍神に負けたりして高火力の大切さを思い知ると同時に、
「そもそも何故高火力で攻めないと勝てん!」と理不尽な怒りを抱いたり。
省エネで頭部と脚部をぶっ飛ばして前陣迫撃砲術連発してたら勝てるかしら。しかしHP砲を捨てたくない。
という訳で、2011年になってもアンドロが愛しいです。
ひとつのことに集中的に愛を注げない自分にしては異例の事態。1年に1度の奇跡かも。
アンドロ含むパーティで禍神を倒すのが自分の目標です。
はてさて本日は、手ぶらと見せかけてそうではなく。
高ぶったアンドロ熱を消化するのも兼ねて、ささっと書いた落書きを携えてきました。
IFではないし、広告を消したいからとりあえずこちらにUP。相変わらず適当なブログです。

シクリッド
声が出ないアンドロくん

デュメリリィ

メルルーサ
シクリッドの妹機たち

シクリッドを作った男
愛を知らない。かもしれない。
第六層で色々。
シクリッドは愛を知らないが、しかし、自分を作ったあの男が愛を知らないことは知っていた。
シクリッドとその妹たちが、薄暗く湿り、木々が蠢く生きた樹海へ足を踏み入れる時も、あの男は何も言わなかった。
他の人間たちは『ごめんね』『がんばって』『ぶじでいて』『たのんだよ』と、憂いで顔を歪ませていたのに、あの男は最後まで黙り込み、シクリッドたちを眺めているだけ。
眼鏡の向こうにある空色の瞳にどのような思いが秘められているか、アンドロには理解できない。アンドロは人の心を知るためではなく、人になるためではなく、人の脅威たる存在を打ち倒すために作られたのだから。
そう、作られた道具なのだ、とシクリッドは思う。
以前、自分を作った男も話していた。アンドロは道具で、消耗品で、替わりが利くし、取り返しもつく。だから脅威的な敵の情報を――禍神のデータを集める先陣には適切なのだ、と。
他の人間たちは否定気味だったが、最終的にはしぶしぶと認めた。結局他の人間も、自分たちのことを道具と認識しているのかもしれない。或いは、自分を作った男が、無理やり言い聞かせたか。
自分たちは道具であることは理解している。しかし、道具であることが悲しいと感じていることも確かだった。
例えばシクリッドは、自分を作った男に好意的な印象を抱いている。その男の仲間である人間たちにもだ。だがその印象は、人間のように表せば好意ではなく羨望に近い。
例えばシクリッドは、自らが『愛されている』と聞いていた。男の仲間である人間たちから、幾度も幾度も聞かされた。しかし、どうしても自覚が持てない。嬉しいことには違いないが、そもそも愛が分からないのだ。
いくら羨ましくとも、みんなの中に混ざりたくとも、愛されている自覚を求めても、愛に応えたくとも、できないのだ。道具だから。
体中に巡る電流が血液だったら、と何度願っただろう。鉄の体が柔らかい肌だったら、と何度夢見ただろう。自らが人と同等の立場に立ち、愛され、愛する光景を何度メモリーに描いただろう。
制御ができない擬似感情は欠陥的で、己が道具である事実に目を瞑ろうとする。夢を追っても、愛を求めても仕方がないのに。
「何か来るざ!」
後尾を歩くメルルーサが叫んだ。電気信号で済む伝達をわざわざ音にするのは、最も人間に似ている彼女ならではといったところだろう。
先頭のシクリッドと中間のデュメリリィが戦闘態勢に入る。メルルーサはいち早くレッドボットを展開させて、すかさずエーテルで生み出した炎を投げる。炎、そしてレッドボットから放たれたエネルギーがある木々の間を突く。瞬間、そこから苦しみもがくようにうねりながら、奇怪な触手が顔を出した。軟体生物を思わせる動きのそれは、至るところに黄色の眼球がついている。どこが顔なのだという問題ではない、そもそも顔すらない不可思議な触手だ。
どくん。
シクリッドの核が跳ねる。電流が活性化し、体中が熱くなる。目の奥がちかちかと光るのが自分でも分かった。
そういえば、と思い出す。
言葉を発することも、人間になることもできない自分だが、ひとつ、取り得があったのだ。
自分たちより優秀な妹機にはなく、自分にはある機能のひとつ。
フカビトと、それに準ずる存在を敵と認識すれば、対フカビト用の排除行動に移ることができる。
シクリッドは、知っているのだ。敵が誰で、倒すべき相手はどれで、何故倒すべきなのか。
掲げた右腕が刃へ変形し、触手に突き刺した。体中から、刃から、熱という熱が溢れ出ている。脇からデュメリリィのエネルギー砲、メルルーサの炎が飛んできて、身動きの取れない触手の体を痛めつけていく。暴れる触手がその先端でシクリッドを殴打するも、シクリッドは離れることない。逆に触手がシクリッドから漏れた電磁エネルギーを直に浴び、いよいよ参ったように力なく垂れ下がる。直後、シクリッドは右腕に力を込め、触手を真一文字に斬り裂いた。
しばらくびちびちと跳ねていた触手がおとなしく力尽きる様を見届けて、シクリッドは右腕を元の形態に戻す。
敵を――フカビトを目にすると、無我夢中で戦い、気が付けば終わっている。アンドロにとってはプログラムで、人間に例えれば本能に近い。
シクリッドは、このプログラムを苦手としていた。何故かは分からないが、欠陥品の擬似感情が恐ろしいと告げている。
だが、必要であることには違いない。フカビトや、禍神と呼ばれる存在を打ち倒すには、欠かしてはいけないプログラム。
だから、自分を作ったあの男も、自分を先陣に加えてくれたのだろう。彼は愛を知らないが、道具の使い方に関しては割と賢い方なのだ。
道具は使うためにある。使えない道具はいらない。
かつて記録した男の言葉を機体の内で再生し、シクリッドはある期待を寄せた。
――なら、僕が使える道具になったら、愛を教えてくれるかな?
2011年最初の衝撃が「はやぶさ」で、次いで「starduster」なのです。
だから、それらを意識して書いてみたりしました。データ収集のためとか、まんまはやぶさ。
うちの眼鏡バリは、アンドロを子供のように可愛がっているし、誰よりも人間に似た扱いをしているけど、誰よりもアンドロは道具であり兵器であると認識しています。
人に似せて作ったのも、擬似感情を与えたのも、全て気まぐれ。或いはクオリティ重視。自分はこんな機械も作れる凄い男なんだ、というのを見せつけたかったという思いが強いのです。
あくまでも利己的で、非道寄りな男。愛を知らないのは本当。だって自分が一番で、自分以外はどうでもいいから。
でもアンドロたちは、ナルシスト眼鏡を求め続けます。愛を求め、愛を教わりたがります。小さな子供は簡単に父親を嫌えない、ということで。
……何故、大半が眼鏡バリの話になったし。
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