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左胸は止まらない

世界樹4発売おめでとうございますううういええええい!!
姉から3DSを借りながらちまちまやっています。2人して世界樹プレイヤーなのでとろとろ進行です。
現在は2階層にあたりそうなところの真ん中ぐらいです。レベルは20をようやく越えた所です。
既に5回ぐらいはhageてます。数えていません。数えていればよかった。


ようやくといえばようやくですが、4のギルド設定を簡単に載せました。
後々編集する前提で、とりあえず発売直後の段階です。ここから何が増えてどうこじれるのか楽しみですね。
それと、体験版をプレイして妄想がはかどりさらりと書いた文章も載せます。
ネタバレらしいネタバレはありません。大地フィールドのFOEから命からがら逃げ切った後です。


セシル:ナイシ男1。人見知り。生きていたい
ウィルフレッド:スナ男1Y。通称ウィル。うるさいギルドリーダー

メアリ:メディ女1。自信家。しんだ
エリック:ソド男1。無鉄砲。たおれた
ユリシーズ:フォト男2。兄貴分。やられた

セシル視点。エリック→メアリ→ユリシーズの順で倒れ、それでもセシルが逃げ切ったことから妄想。
セシルが生きていたい話。



 生きていた。死ぬかと思った。
 命からがら気球艇へ逃げ込み、深い息と共にわきあがる気持ちがそれだった。
 抱えている少女は軽くて柔らかい。安堵して改めて高鳴る鼓動、恐怖とは違うそれに目を背けながら、寝床へ運び、ゆっくりと彼女を下ろした。
「よっ、お疲れセシルちゃん。何とか助かったな!」
 弾みがちな明るい声が後方から飛んでくる。振り向くと、声と似て眩しい金髪と日に焼けたような黒い肌が見えた。
 ギルドリーダーである彼は、先の戦闘で、強大な敵と対峙する間もなく逃走を選んだ。決断してから逃げ切るまで3人の被害者を出しながらも、彼はけらけら笑っている。
 ウィルフレッド。常に笑っていて緊張感に欠ける彼が、セシルは苦手だった。
「いやー、一時はどうなることかと思ったぜ。初めて死を覚悟したよ。いや、初めてじゃないんだけどさ実際は。しかし3人一気にやられると引き返さざるを得ないかなこれは。メアリが無事だったら手当なり何なりしてくれたんだろうけど。ん? ここまでずたずただとどうしようもないか? ――まあ、もしもの話はしても仕方ないけどさ」
 こちらが言葉を紡がずとも、彼はひとりでに喋り続ける。ぺちゃくちゃと矢継ぎ早に言いたいことだけ言って、いちいち聞き手の様子を窺い、そしてまた喋る。
 寝床に横たわっているメアリはセシルの気持ちを汲んでくれるし、ウィルフレッドに抱えられている2人は、どちらもこちらの言葉を静かに待ってくれる。しかしウィルフレッドには、それらの気配がない。
 苦手、というだけで嫌っている訳ではないのだが。それでもふたりきりで一方的に喋られるのは心地が悪い。
「セシルちゃん」
「……?」
「エリック、任せていいか? 俺はユリシーズの方を寝かすから」
「……はい」
 声が小さくなったのは、返事の仕方に困ったことがひとつと、エリックを任されたことへの不服がひとつだ。
 件の魔物に倒されたのもエリックが最初だった。魔物へ攻撃するメアリを支援しようとして、返り討ちにあったのだ。鎚を振るったメアリも問題だが、それを支援するという思考はもっと問題だ。明らかな間違いは否定するべきなのに、許容するどころか助けてどうする。死にたいだけなら人を巻き込むな。
(お前なんかはどうでもいいけど、お前のせいで、メアリさんやおれが死ぬのは、駄目だ)
 ぎり、と唇を噛みしめる。だからこいつは嫌いなんだ。
「セシルちゃん、どした? 装備の外し方は分かるよな?」
「……すみません」
「なんだなんだ、急にしょげちゃってどしたんだ? あ、わかった恋煩いか。セシルちゃんもお年頃だもんなー分かる分かる。相手は誰だ、セフリムの宿の女将さんか? あ、いや、やっぱ言わなくていいわ。プライベートの侵害だもんな、リーダーはそんなことしちゃいけないんだ。だけど悩みが尽きなかったら遠慮なくウィルお兄さんに相談しろよ? な?」
 男のお喋りは、右から左へ通り抜けていく。気を失っているとはいえ、あれをそばで聞いているユリシーズは溜まったものではないだろう、と軽く同情を覚えた。
 しかし胸を突く言葉がひとつ。恋煩い。ウィルフレッドは、口は軽快なくせになかなか聡い男なのだ、と痛感した。
「まだ、できません」
「できない? 相談を? 別に今すぐとは言ってないぜ、お前のちょうどいいタイミングで大丈夫だからさ。ウィルお兄さんはほら、お喋りだけど人の秘密は言わないんだぜ。口に出すものは意味のないことばかりさ~、なんて自分で言っても仕方ないけど」
「そうじゃなくて、あの」
「え、違う? 相手は女将さんじゃないってか? じゃあなんだ、同郷の子か?」
「……」
 一言告げる前に三言は喋ってくる。いよいよまともな会話を諦めて、セシルは赤い目を伏せた。
「……いいです」
 エリックの装備を取り外して、寝床に転がす。気を失うほどの打撲を受けていようが構わない。会話の不成立と、今の状況に対する八つ当たりだ。
(長生きしなきゃ、恋も愛も意味がないから)
 メアリへ想いを告げるのは、永劫の楽園を見つけてからだ。それまでこの心には蓋をしよう。命あっての物種だ。心臓が動いてこその恋心だ。
 セシルは生きていたかった。
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2012年07月07日 | Comments(0) | Trackback(0) | 文章(Ⅳ)
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